今年度の浮島湿原ハイキングを終了いたします

来週、再来週とご予約をいただいておりました皆様申し訳ございませんでした。一昨年・昨年と10月いっぱいは雪がありませんでしたので、判断を誤ったようです。本当に申し訳ございません。

昨日10月22日、次週のご予約の下見のため浮島湿原に向かいました。先週末より山間部での降雪があったため気になっていたのですが、浮島トンネルを上川側にぬけると銀世界が広がっていました。

国道から浮島湿原駐車場へ向かう町道への分岐には、国道の除雪の雪が寄せられていましたが、写真のように先行車の轍があったため駐車場へ向かいました。ちなみに私の車は四輪駆動ではなく前輪駆動、いわゆるFFです。

ドキドキしながら向かいましたが、最後の駐車場への短い傾斜を登ことはできませんでした。

登山口の入山届の箱は撤去され、雪は20cmほど積もっています。入山届が撤去されたということで管理者の上川町も今年度の浮島湿原の入山は終了と判断したようです。

残念ですがこの地では季節は完全に冬へと変わりました。5月からの10月の半年間、多くの人々を魅了した浮島湿原は冬の眠りに入ったようです。道中、エゾシカの足跡は雪に残っていましたが、ヒグマのものはありませんでした。標高が高いこの辺りでは彼らも眠りに入ったのでしょうか。

POUSSINでは来年も5月より浮島湿原ハイキングツアーを開始する予定です。来年も美しい姿を見せてくれることでしょう。

その時までしばしお別れです。

ザトウクジラ

写真は2005年8月にカナダのクイーンシャーロット海峡で撮影したものです。私は花王・アースウォッチ教員フェローシップの支援を受けてコククジラの回遊調査に訪れていました。

この年はエルニーニョの影響でコククジラの回遊が遅れ出会った鯨のほとんどはザトウクジラでした。この時生まれて初めて写真の『バブルネットフィーディング』を見ることができました。学生時代にマウイ島の海で子育てをするザトウクジラを観察した経験はあったのですが、北の海でニシンを求めて躍動するザトウクジラの姿は圧巻でした。

1ヶ月近く英語のみの生活はなんとかなると諦めの境地で挑みましたが、今となってはとても良い経験です。また、ホエールウォッチングではなくResearchの文字を掲げた船でクジラを追いかける体験はかけがえのないものとなりました。

あれから20年の月日がたち、先週末にとあるニュースが入ってきました。オホーツク海の海岸にクジラが漂着したとのこと。種類は不明とありました。スマホの画像を見ると紛れもなくザトウクジラ。これは会いに行くしかないとチャンスを伺っていました。

場所は隣町の浜。そこでその町でゲストハウスをしている方に連絡し情報があるか聞いてみました。ご自身はまだみていないそうですがご丁寧におおまかな場所とGoogleマップのまでつけていただき感謝です!(Aさん本当にありがとうございます!)

まずは見晴らしの良い遠方から双眼鏡で確認。「確かにある!」車に乗って現場に向かいました。

(ここから死んだ動物の写真が入りますので苦手な方はご遠慮ください)

確かに何かがあります。近づいてみると…

大きな黒い体が横たわっていました。

口の中には鯨髭。ヒゲクジラであることがわかります。

畝と特徴的な大きな胸びれ。ストランディング調査でサンプルが取られたとみられる四角い穴が胴体に開いています。

三角形に盛り上がった背中と小さな背鰭。この背中の様子を日本人は『座頭』と捉えびわを背中に背負った姿と重ね合わせました。英名はHumpback Whale 『せむしのクジラ』。クジラの和名は日本人との深い関わりがあったことが理解できるものが多いです。英名は安易というかなんでそんな名前?みたいなものも多く、調べてみると面白いですよ。(まずはセミクジラやマッコウクジラが良いと思います)学名はMegaptera novaeangliaeです。

ひっくり返すことは私には無理なのですが、この尾鰭の裏側の模様で個体識別をしています。多くのザトウクジラは戸籍ができているみたいですよ。同じくお腹が下なので雌雄の判別もできませんでした。

ザトウクジラらしい突起のある上顎。打ち上げられたクジラは腐敗でガスが溜まり爆発することも。涼しいこの時期だから観察できたのかもしれません。匂いに敏感なヒグマにとっては大変なご馳走です。知床では打ち上げられた歯鯨類を食べるヒグマを観察したことも。ご注意を。

最後に見てから20年。私にとって日本で初めて出会えたザトウクジラは残念ながら息絶えていました。でも隣町で出会えるなんて運命を感じます。

オホーツク海は多くのクジラ類が生息する豊かな海。いつかこの海岸からのんびり泳ぐ彼らの姿を見てみたいと水平線に目をやりました。